遠州七不思議 子生まれ石 (静岡県榛原郡相良町) --- レポーター:永峰秀司


 岩の壁から「石の玉」が生まれる…

  そんな不思議な現象が見られるというのを本で読んで、静岡に向かった。
 東名高速・相良牧之原インターを降り、南へ10分ほどの所にそれはあった。行く道のあちこちに「遠州七不思議、子生まれ石」という道標が立っている。現地には駐車場とトイレ、休憩所があって、休日の混雑が想像できる。

 休憩所から現場まで「子生まれ石まで50m」という立て札に従って歩く。途中に祠(ほこら)があって、ご神体はもちろん「子生まれ石」。45pほどのものと、30pほどの、どちらもほぼ球に近い見事な「丸い石」だ。

 

 さて、現場は幅1mから2mほどの渓流で、川岸のところどころがのっぺりした岩になっていて、その岩から「石の玉」が突き出している様は、「話よりも面白い」という貴重なシロモノだった。
 面白さは、「岩から石が出てくる」ところにある。
 土や砂の中から丸い石が出てくるならば、丸い石が何かの拍子に地中に埋まったものと想像できるが、「岩の中でどうやって石が丸くなったのか」また「なぜ出てくるのか」、不思議な現象だ。

全景(左)と部分拡大(右)
 

ダンゴ3兄弟?とは書いてなかったので安心した。(左)
探すと他の場所でも見つかる。(右)水中にも1個あるのをよくみてほしい。

  

 科学的な説明は、「壁は砂岩でできているが、堆積していく過程で内部に石灰質の「核」となるものを含んだため、周囲の砂がタマネギ状に練り固まったのが「子生まれ石」で、雨や風の浸食で固まりのまわりの柔らかい砂岩層だけがこそげ落とされていくので、「卵の出産」のような現象が起きる」らしい。確かにタマネギの皮のように厚さ5oほどの表層が一部はげ落ちているものがあった。

 また形は真球ではなく、ほぼ真球といったものから、ソラマメ形、ひょうたん形、洋梨形といろいろある。近くのゆかりある「大興寺」の住職の墓石に、代々この石が使われているが、ひょうたん形のものを好んで使ったようだ。「大興寺」と子生まれ石のゆかりについては、下の看板を読んで下さい。

取材日:1999年8月20日(金)


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