
第29号
スピリチュアルに考える

春が来た。夏はもうすぐだ。愛しい人たちの健康と幸福を願って、便りをするのにいい時だ。気分も良くなり、力がみなぎる時なので、庭や畑の植え付けの準備にも忙しい。
作物の種は私たちの祝福を受けて、母なる地球の胎内である土に植えられる。母なる地球もまた、父なる太陽の温もりを感じている。
母なる地球は活動を始め、優しさのパワーをもって大地を草花の緑で覆うのだ。私たちも調和しよう。みんなひとつなのだから。そして母なる自然に祈りとともに呼びかける。
「あなたが産んでくれたものがすべて、力強く健やかに育ち、十分な食べ物と美しさに包まれますように。」
植付け
私たちの中には、自分の食べ物を自分で育てたいと考える人がいる。自分が土に植えた種から芽が出るのを見るだけでも、素晴らしい気持ちにさせてくれる。
「奇跡だ」とあなたはつぶやき、それが収穫できた時には、もっと大きな喜びが得られるのだ。
私たちのところにはよく、ホピにはトウモロコシを育てるホピ独特の方法があるのではないか、という手紙がくる。しかしそれに簡単に答えることはできない。
伝統的な農法はとてもややこしいからだ。そのほとんどはスピリチュアルな部分や儀式に関連しているので、ホピでない人には理解し難いと思う。
とはいえ、トウモロコシは気候と土さえ合えば、たいていの場所で育つ。ホピの地は乾ききっているが、私たちは水をやったり、肥料をやったりしない。実際ホピの地が、他の場所とさほど変わるものではない。
場所によって土は変わるが、ホピは長い経験から、それぞれの作物に最適な肥えた土地を見つけることができるのだ。
すべてのホピが、作物を育てる伝統的な方法を知っているわけではない。特に若いホピはそうだが、彼らにトウモロコシや他の作物の育て方の知恵を伝えるのは、長老の仕事だろう。少し見てみよう。
長老たちは、ものを育てるというのは、大切で神聖なことだと言うだろう。そこには多くの重要な意味がある。食べ物無くして、生命はありえないからだ。
誰かが食べ物を作るから、すべての生命が健康で、幸福に生き続けられる。だから作る者は喜んで心をこめなければならない。そうして畑と少しずつ交わってゆき、調和の中で働くことができるようになるのだ。
植付け時には、心が健やかでなければならない。憎しみや悲しみを持っていてはだめだ。種に向かって歌い、語りかけ、喜びと共に芽吹くよう力づけねばならない。
芽が出たら彼らに感謝し、力強く伸びるよう勇気づけるのだ。
育ったなら彼らに感謝すると共に、収穫を可能にし、食物の準備を助けてくれた目に見えないスピリットにも感謝する。
これらが、作物を育てるための知恵の、ほんの一部だ。
伝統的な農法はとてもユニークだ。環境と自然の法則も考慮しなくてはならない。
種はきれいな列になるように並べ、少なくとも4,5歩分離して植え付ける。トウモロコシとメロンは同じくらいの間隔で離し、豆や他の作物は2歩分離せばよい。
潅がい用の水は無いが、この方法だと、雨が降るまでそれぞれの苗が根を深く下ろし、育つために必要な土中の水分が均等に行き渡るのだ。
種を植える穴を人の手で掘るために、砂漠に自生するカシの木でできた植付棒を使う。広い畑だと、植え終わるのに1週間か、もっとかかることがある。
少なくとも、8〜12列の種を植えると、それらは強いエネルギーに満ちて発芽する。その後、病気の広がり具合によって、4,5列のつるを残して間引きする。
春に雨が降れば、湿った土が表面近くにあるので、仕事はもっと楽だ。乾燥した春には、土を30センチか、もっと掘り下げなければならない。
作物を守るためには、病気や風、干ばつのことも考慮しなくてはいけない。また祈りや儀式は、作物の生長を助けるのに重要だ。
太陽に従う、あるいは植付けの時
よく尋ねられることがもうひとつある。それはホピがどうやって植付けに最適な時を知るのかだ。現代はほとんどの人が暦や年表を見て、植付けを行うが、ホピには独自のやり方がある。
どんな物にも、誕生して生命を謳歌する時と場所があり、それぞれに最適な時があることをホピは知っている。それは注目すべき知恵で、自然のバランスが壊れた時に、どんな兆候が見られるかを知っているのだ。
春が近づくと、時を告げるもの、目印になるものをよく見ておかねばならない。太陽が夏の家(夏至)に向かい始めると、地平線のある特定の目印となる場所から昇り、春が来たことを告げる。それを見てホピは植付けを始めるのだ。
まずスイートコーン(甘みのあるトウモロコシの一種)を植える。成長が早く、特別の目的があるからだ。
次にやや成長の遅いリマ豆(lima beans:ライママメとも呼ばれる)やメロン、そしてその次に主要な作物であるトウモロコシが、大きな畑に植え付けられる。
そしてさらにもう一度、スイートコーンを植える。こうして植付けのシーズンは終わり、この頃には太陽が夏の家に達している。
ホピはまた開花時期がそれぞれ決まっている特定の砂漠の花に注意し、観察している。それらの自然の事象に注意を向けることで、ホピは地球が安定し、バランスが保たれていることを知るのだ。
彼らはそれぞれの「市」が、自然のタイミングに従って何かが起こり、始まることを示しているという。これを知ることで、時計の進み方がおかしくなれば、それが分かるのだ。
私たちの儀式のサイクルもまた他の役割を持っているが、悲しいかな、すたれてきている。これも何かの兆しかも知れない。
なぜこの不可思議なものが私たちのトウモロコシを育てるのか?
私たちの理論はほとんどの人にとって、さほど意味の無いものかも知れない。しかしホピはそれらを導いてくれる、スピリチュアル・ガイドに誇りを持っている。
ホテヴィラ村が独立
ホテヴィラ村が完全独立国を目指して、(設立された時からそうだったが)全面的に動き始めた時、私たちは村が国立公園局によって、登録史跡にされた時の反応を待っていた。
その衝撃は、まるで時が止まってしまったようだった。何の反応も無く、人々や新聞社もそれに触れず、私たちの祈り人たちさえも黙っていた。
しかし多くの人々が関心を持っているこの新しい動きは、心が開いた人たちの心を揺さぶることになるだろう。
注目してほしいのは、ホテヴィラ村が登録史跡になったことを示す文書には、確認の印が無いことだ。もしこの文書が私たちを破滅させることができるなら、私たちの方も、私たちの意志で文書を破棄するだろう。
観光客の訪問が禁止ならば、合意できるかも知れない。
予言
昔の予言者は、再び分裂が起きることを予知していた。1906年に起きたように、一方が神聖なる掟や宗教指導者たちに従わず、ホピの道から外れた文化を取り入れるなら、お互いが一緒に生きてゆく道はない。
これが彼らの言う「ひとりはやるが、ひとりはやらない」ということだろう。ひとりはバハナの道で、ひとりはホピの道だ。どちらを選ぶのかは自由だ。お互いに押し付けも、勧誘もしない。
もしこの予言が現実となったら、私たちは再び皆で、調和の中に生きることができるのだ。誰も邪魔しなければ、の話だが。
ホピの思い
ホピについては、長い間誤解されてきたことがある。どういう行動をして、どう考えるかを。
ホピのことを学びにやって来る人は、大抵失望して去ってゆく。ホピはとても慎み深く、自分の本当の価値を内に秘めておこうとするからだ。自分ができることや、組織の中でどんな地位にあるか、何をしているかを、自慢するようなことにならないよう神経を使う。儀式や祈り、あるいは目標のためや、名誉のための政治活動だとしても、無欲であることが大切だと信じている。
ホピは利益があるように見える危険なもの、特に外国政府からもたらされるものに、常に細心の注意を払う。それは、予言のどこかに、新しいものを取り入れてもよいなどという、ほころびを見つけるまで、ホピの知識や知恵を侵食し続けるからだ。
ホテヴィラが今日まで独自性を保ってこられたのは、グレイト・スピリットの思い描く通りに生きよ、という伝統の教えを守ってきたからだ。
結論
あなたは、ホピが考古学的な価値観に根ざす知識や知恵を、すべて尊重するということに興味を持つかも知れない。この場合、多数決というやり方は結論を出すのに有効ではない。
地球とすべての生命のために生きることを恐れない、強い意志と強い心を持つ者なら、誰もが役目を担うことができるのだ。
こんなことが言われている。「もしひとりか、ふたりが偉大なる創造主の旗の下で、強い意志を持っていればよい。3人、4人ならなおいい。」

私たちはあなたがこの誌面を楽しみ、ホピのことを少しでも学び、私たちが闘い守ろうとしていることに、力を貸してくれることを望む。ホピの文化を次世代に残すためなのだ。
もしできるなら『テックヮ・イカチ』を継続して読んでほしい。毎回自宅にお届けすることによって、ホピをより深く知ってもらうことができる。
感謝と祝福をこめて、よい一日を
( 翻訳: 永 峰 秀 司 All rights reserved. )

The shield symbol with its four circles in
four quadrants means:
"Together with all nations we protect both land and life,
and hold the world in balance."
4分円の中に4つの円のシンボルの意味
「私たちは全ての国の人々と共に大地と生命を守り、世界のバランスを保つ」